はしがき

序章


第一部 プライバシーの権利とは

第一章 プライバシーの権利の淵源

第二章 プライバシーの権利の生成過程

第一節 【第一期】人間の実存状態としてのプライバシー

第一項 ウィートン事件
第二項 クーリー判事の用いた表現
第三項 ドゥ・メイ事件

第二節 【第二期】法的権利としてのプライバシーの権利の承認

第一項 ウォーレン・ブランダイスの連名による論文
第二項 論文執筆の背景
第三項 論文発表の背景

第三節 【第三期】プライバシーの権利侵害に対する救済

第一項 プライバシーの権利の保障及び限界
第二項 ロバーソン事件
第三項 ペイブジック事件

第四節 【第四期】不法行為法上のプライバシーの権利の混沌期

第一項 コモン・ローによる承認と混沌期の到来

第五節 【第五期】不法行為法上の権利としてのプライバシーの権利の確立

第一項 プロッサーの四類型とは
第二項 私生活への侵入
第三項 私事の公開
第四項 誤認を生ずる表現
第五項 私事の営利的使用

第六節 【第六期】不法行為法上の権利としてのプライバシーの権利の軌道修正期

第七節 ネットワーク社会におけるプライバシー侵害とプロッサーの四類型

第八節 プライバシー侵害と名誉毀損の相違点

第一項 プライバシー侵害としての不法行為の成立要件
第二項 名誉毀損の一般的成立要件との比較

第九節 プライバシー侵害と名誉毀損の交錯点

第一項 「誤認を生ずる表現」としてのプライバシー侵害再考
第二項 「誤認を生ずる表現」としての不法行為の増加要因
第三項 プライバシー侵害としての「誤認を生ずる表現」の放擲

第十節 ネットワーク社会への応用例

第一項 スターン事件

第三章 憲法上の権利としてのプライバシーの権利

第一節 財産権的プライバシー概念

第二節 憲法上のプライバシーの権利の承認

第一項 グリズウォルド事件判決

第三節 憲法上のプライバシーの権利の双面性の承認

第四節 プライバシーの権利の不可分的要素

第四章 プライバシーの権利の憲法上の根拠

第一節 合衆国憲法におけるプライバシーの権利の根拠

第一項 憲法上の単一条項に根拠を見出す説
第二項 憲法上の複数条項に根拠を見出す説
第三項 憲法典以外に根拠を見出す説
第四項 法律の制定による保障

第二節 日本国憲法におけるプライバシーの権利の根拠

第一項 プライバシーの権利の根拠規定をめぐる諸説
第二項 プライバシーの権利の根拠規定をめぐる諸説の問題点
第三項 合衆国憲法修正九条との対比
第四項 憲法一三条後段「幸福追求権」の本旨

第三節 プライバシーの権利の憲法上の根拠試論

第一項 憲法三一条の沿革
第二項 憲法三一条の解釈をめぐる諸説
第三項 実体的権利保障の根拠規定としての憲法三一条の問題点
第四項 憲法三一条による実体的権利保障の可能性
第五項 法律による保障

第五章 プライバシーの権利概念

第一節 プライバシーの権利概念

第二節 プライバシーの権利概念の混迷要因

第三節 プライバシーの権利をめぐる議論の構成

第一項 法領域別構成
第二項 事案別構成
第三項 機能別構成
第四項 解釈の広狭別構成
第五項 視点別構成
第六項 時系列的構成

第四節 わが国におけるプライバシーの権利概念をめぐる諸説

第一項 自己情報コントロール権説
第二項 自己イメージのコントロール権説
第三項 構造的権利説

第二部 自律権としてのプライバシーの権利

第一章 実体的デュー・プロセス理論とプライバシー

第一節 「実体的デュー・プロセス理論」とは
第二節 財産権の保障手段としての「実体的デュー・プロセス理論」

第一項 契約の自由と「実体的デュー・プロセス理論」
第二項 「実体的デュー・プロセス理論」の一過的な終息
第三項 「実体的デュー・プロセス理論」の復活の前兆

第三節 プライバシーの権利の保障手段としての「実体的デュー・プロセス理論」

第一項 「実体的デュー・プロセス理論」の復活
第二項 ロー判決以降の人工妊娠中絶判例

第二章 いわゆる自己決定権について

第一節 自己決定権の系譜

第二節 自己決定と自己決定権

第三節 自己決定権の理論的基礎

第四節 自己決定権をめぐる諸説

第五節 自己決定権をめぐる学説における問題の諸相

第一項 自己決定権拡張論の問題
第二項 加害原理に基づく権利性承認基準の問題
第三項 権利保障及びその制約基準としての加害原理の問題
第四項 基礎理論の継承過程における問題
第五項 継承理論の問題

第六節 自己決定権の限定解釈の必要性

第一項 「単なる自由」と「自由権」の峻別
第二項 自己決定権の定義

第三部 自己情報コントロール権としてのプライバシーの権利

第一章 捜索・押収とプライバシー

第一節 物理的侵入を伴うプライバシーの侵害

第一項 修正四条及び修正五条による個人のプライバシーの保護
第二項 財産権概念に基づくプライバシーの権利の保障

第二節 物理的侵入を伴わないプライバシーの侵害

第一項 侵害行為の態様
第二項 電話盗聴
第三項 一九三四年連邦通信法の制定と電話盗聴によって得られた証拠の排除
第四項 電子盗聴器による盗聴

第二章 ネットワーク社会における盗聴をめぐる諸問題

第一節 捜査機関による新技術導入と修正四条

第二節 アメリカ合衆国における犯罪捜査目的での盗聴の実状

第一項 盗聴実施件数
第二項 盗聴期間
第三項 盗聴実施回数
第四項 盗聴器の設置対象
第五項 盗聴手段
第六項 盗聴費用
第七項 対象犯罪及び対象者数
第八項 盗聴証拠による有罪率

第三節 電子メール盗聴をめぐる諸問題

第一項 通信形態の差異から生ずる問題
第二項 通信構成の差異から生じる問題

第四節 捜査手段としての電子メール盗聴の実際

第五節 電子メール盗聴の限界

第六節 我が国における盗聴をめぐる諸問題

第一項 捜査手段としての盗聴の現状
第二項 盗聴をめぐる従来の学説

第七節 電子メール盗聴導入の是非

第一項 法的側面における諸問題
第二項 技術的側面における諸問題
第三項 社会的側面における諸問題

第八節 電子メール盗聴の憲法適合性

第三章 個人情報の保護

第一節 個人情報とは

第一項 個人情報とプライバシー
第二項 個人情報と個人データ
第三項 個人識別情報
第四項 特定の機微な個人情報

第二節 法的保護の対象となる個人情報

第三節 個人情報保護の概念的背景

第四節 個人情報の保護の必要性

第四章 個人情報保護への取り組みに関する国際的な動向

第一節 個人情報保護への国際的な取り組みとOECD理事会勧告の意義

第二節 欧州評議会の個人データ保護条約

第三節 EUの個人データ保護指令

第四節 EU指令に基づく加盟国の国内法の整備状況

第五節 個人情報保護制度の方式

第五章 アメリカ合衆国の個人情報保護体系

第一節 連邦の個人情報保護関連法の特徴

第二節 行政機関の保有する個人情報

第一項 プライバシー法
第二項 社会保障番号
第三項 運転免許証

第三節 信用情報機関の保有する個人情報

第四節 金融機関の保有する個人情報

第五節 電気通信分野における個人情報

第一項 電子通信
第二項 無線通信
第三項 加入者個人情報
第四項 望まない通信からの保護

第六節 報道機関の保有する個人情報

第七節 個人の嗜好傾向情報

第八節 ポリグラフ

第九節 コンピュータ及びネットワーク関連

第一項 個人情報のコンピュータ処理
第二項 コンピュータ・マッチング
第三項 オンライン上の個人情報

第十節 医療分野における個人情報

第十一節 州憲法及び州法

第十二節 自主規制

第六章 我が国の個人情報保護体系

第一節 国の行政機関を対象とした個人情報保護法

第一項 保護法の目的及び適用範囲
第二項 保護法の構成
第三項 行政機関の保有する個人情報ファイル数
第四項 個人情報ファイルの利用及び提供状況
第五項 個人情報ファイルの開示請求の状況

第二節 地方公共団体の個人情報保護条例

第三節 個別の法律における個人情報保護を目的とした規定

第四節 民間部門における個人情報保護に関するガイドライン

第一項 民間部門における個人情報保護への取り組みの概要
第二項 プライバシーマーク制度の創設とその意義
第三項 JIS Q 15001「個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項」の制定
第四項 第三者認証制度の意義

第五節 職業上の秘密保持義務規定

第六節 個人情報の漏洩や不正利用等の行為に対して法的責任を問うために用いられる法律上の個別規定

第七節 我が国における個人情報保護の新体系

第七章 高度情報通信社会における個人情報の保護

第一節 インターネットの生成の背景

第一項 技術的側面
第二項 政策的側面(アメリカ)
第三項 政策的側面(ヨーロッパ)

第二節 高度情報通信社会における個人情報保護をめぐる諸問題

第一項 個人情報のネットワーク利用
第二項 電子商取引と個人情報保護
第三項 情報通信社会の陰と陽

第三節 高度情報通信社会における通信の秘密の保障

第一項 通信の起源及びその根元的要素
第二項 情報の定義、情報の交換及び伝達活動の類型
第三項 通信の構成要件
第四項 情報の伝達過程
第五項 通信の種類
第六項 通信網の種類
第七項 法令における通信の定義

第四節 法律による通信の秘密の保障及びその制約

第一項 法律による保障
第二項 法律による制約

第五節 諸外国の憲法における通信の秘密の保障規定

第一項 通信の秘密の保障規定について
第二項 通信の秘密の保障規定の有無
第三項 通信の秘密の保障形態の類型化
第四項 通信の秘密の規定内容
第五項 禁止規定

第六節 諸外国の憲法における通信の秘密の制約規定

第一項 通信の秘密の制約形態の類型化

第七節 通信の秘密の保障意義

第一項 通信内容と通信の外形的事実の保障
第二項 通信の自由と通信の秘密
第三項 通信の秘密の保障意義をめぐる諸説
第四項 通信の秘密の保障意義

終章

資料編

諸外国の憲法における通信の秘密の保障及び制約規定